CRM研究④「ワークロード・マネジメント」


宇宙航空研究開発機構のJAXAがJALやANAと共に開発した「Crew Resource Management / CRM」は、大きく5つのクラスタに分類され、それぞれが複数のスキルで構成されています。

 

今回は5つのクラスタの1つである「ワークロード・マネジメント」を学んでみたいと思います。

ワークロードとは、「仕事量」「作業負荷」を意味する単語ですね。
そんな「ワークロード・マネジメント」に含まれるスキルは下記の3つです。

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・プランニング
・優先順位付け
・タスクの配分
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プランニング / Planning

チームメンバーの作業量配分は、そのチームの責任者の仕事ですね。作業量配分の偏りはチーム全体パフォーマンス低下につながり、結果的には快適性、安全性にも影響します。

まずリーダーは、その日仕事をするチームメンバーの特性を把握しておく必要があります。

特に客室乗務員は、当日に初めて出会ったメンバーたちとチームを組むことになります。出会って数時間後にはチームとして完成しなければならない以上、仕事前にリーダーがメンバーのことを把握しておくことは重要です。

経験値、知識量、人間性などから、当日の身体・精神的コンディションの状態、本人が仕事の中で実現させたい願望など、メンバー個人個人の情報の把握に努めます。

次に、当日の仕事内容も把握します。客室乗務員の仕事の場合、時期、路線、客層、天候などによって仕事の難易度は毎日に異なります。

こうしてメンバーと仕事を理解したうえで、最善の配置や、役割分担を、フライト前に考える必要があります。

優先順位付け / Prioritizing

ワークロード・マネジメントを行う上で、常に考えるべきは優先順位付け(プライオリティ・マネジメント)です。
客室乗務員の仕事において、最優先事項は「安全性」です。これは揺らぐことはありません。いかなる場合であっても「安全性」が最優先です。たとえお客様に多大なご不便をおかけすることになったとしても、安全は絶対に守らなければなりません。

安全性を最優先としつつ、快適性、定時性、経済性などの航空業界の四本柱に加え、後輩や訓練生の成長、クルー達とのコミュニケーション、疲労度の管理、サービスの内容など、いろいろなタスクがあります。

今回のフライトの特性などを考慮して、それぞれの仕事の優先順位を明確にします。フライト中に判断する必要が出たときは、優先順位に従って冷静にサバいていく技術が求められます。

タスクの配分 / Distributation

こうして明確化した個々のタスクを、クルーの誰に、いつやってもらうかを配分していきます。
こうして配分したタスクは、可能な限りそのクルーにやって頂き、リーダーは可能な限りの支援します。「権威譲渡」はクルー個々の「承認の欲求」を満たす大事な要素であり、達成感は成長・学習における大切な経験です。クルーの成長のためにはあらゆる支援を惜しまないのがリーダーです。

また、リーダーの大事な仕事は「決断」です。リーダーのタスク負荷が高いと、情報収集が満足にできず、集中力の低下も相まって判断・選択の質の低下を招き、フライト全体の質の低下につながります。

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