CRM研究①「コミュニケーション」


宇宙航空研究開発機構のJAXAがJALやANAと共に開発した「Crew Resource Management / CRM」は、大きく5つのクラスタに分類され、それぞれが複数のスキルで構成されています。

 

今回は5つのクラスタの1つである「コミュニケーション」を学んでみたいと思います。

コミュニケーション・クラスタに分類されるスキルは、下記の3つです。
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・情報の伝達と共有
・ブリーフィング
・アサーション
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スキル1:情報の伝達と共有 / 2 way communication

情報を正確に相手に伝え、クルー全体で情報や認識の統一を図る「伝達力」は、機内のコミュニケーションにおいて重要なスキルです。

大切なのは相手に情報を「伝えた」だけでコミュニケーションを完了せず、相手に情報がしっかりと「伝わった」ことを確認することです。

コミュニケーションはキャッチボールです。
「伝えた」というのは相手にボールを投げた状態です。相手がボールをしっかりキャッチし「伝わった」ことを確認しなければいけません。相手のキャッチャーミットの大きさ、相手のキャッチの技量、キャッチへの意欲、つまり「理解力」は人によって違います。相手に合わせたボールの投げ方、つまり情報の伝え方をすることが大切です。

①自分がボールを投げる。(情報を伝える)
②相手がボールをキャッチする。(情報が伝わる)
③相手がボールを投げ返す。(行動が変化する)
④自分がボールをキャッチする。(それを確認する)

このプロセスを経て、初めてコミュニケーションは完了します。

詳しくはこちらをご覧ください。

スキル2:ブリーフィング / Briefing

客室乗務員という仕事の特長は、仕事の当日に初めて出会った初対面の先輩・後輩達と共にチームを組み、すぐに結果を求められることです。

いざ飛行機に乗り込んでしまうと業務に追われてクルーと十分なコミュニケーションの時間を取れないことがあります。そのため出発前に行う「ブリーフィング」は、クルーの関係性を深める上で非常に重要な作業です。ここでいかにクルーがチームとしてまとまるかが、その後のフライトの質を左右すると思います。

Briefingで使われている「Brief」という単語には「短い」という意味があります。短い時間で、いかにクルーをチームとしてまとめるか?これを左右するのがブリーフィング・スキルですね。

出会った瞬間の「第一印象をより良くする技術」から始まり、ブリーフィング時にはクルーの方向性を統一する「ゴールイメージの明確化」、クルー1人1人の長所を活かした「適切な役割分担」、クルー1人1人が自身を持って自発的に行動できる「良好な人間関係構築」、そしてゴールイメージ達成のための「プランニング」などなど、様々な技術が求められる奥深い分野だと思います。

スキル3:アサーション / Assertion

「アサーション / Assertion」とは「より良い人間関係を構築するための適切な自己主張」のことで、JAXA CRMでは「安全への主張」と訳されています。

「○○はマニュアルと違っていませんか?」「○○は終わっていますか?」というような、安全性を高めるための自己主張です。安全性を高めるには、先輩・後輩や役職の違いなどの複雑な関係性がある中でも、誰もが自発的にアサーションができる環境作りが不可欠です。

もし「なんでもっと早く言わないの!」「いちいち言われなくてもわかってるよ!」というように、相手のアサーションに対して恐れや不安を感じさせる関わりをすると、相手が萎縮してしまいアサーションの質と量が阻害され、結果的に安全性が阻害されています。

リーダーは、チーム内で良質なアサーションがし合える環境を作ることが不可欠です。

環境作りに関しては、こちらに書いた記事が参考になると思います。

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