「部下の遅刻が多い」
こんな状況の時、あなたが上司だとしたらどのように関わりますか?
以前、後輩にアドバイスやフィードバックを行う前にやっておくべき前提について書きました。今回は、より教育を効果的にするための要素について学びたいと思います。
さて、後輩の教育の際、コーチングやティーチングなどの原則を学ばず自己流でやっている方は「アドバイス」や「忠告」を多用する傾向があるように思います。
例えば「部下の遅刻が多い」という状況だった場合、自己流教育法を実践する上司はこのような関わり方をする傾向があります。
「お前はダメだ。明日はもっと早く起きろ。そうすりゃ遅刻しない。これ以上遅刻が続くとお前の評価が下がるぞ」
この関わり方は、後輩の知識量が少ない場合や、短い時間で相手に知識付与を行いたい場合に有効ですよね。しかし、もし部下の中に「自分は遅刻をダメだと思わない」と考えているものがいた場合、いくら「遅刻はダメだ」という価値観を強制しても相手の考えは変わりづらいと思います。
ましては相手を批判、否定し、ガミガミ怒鳴り、脅しつけて無理矢理自分の価値観を強制して、相手の行動を変えようとすると人間関係が大きく悪化し、離反・反発・離職へとつながってしまいもはやアドバイスどころではなくなります。
でも、この先輩が教育の技術を学べば、さらに後輩に貢献できる良き先輩になれると思います!
相手を成長させるための大事な要素。それは「自己評価」です。
部下との関係性が築けている場合、たとえばこんな声のかけ方もあるのです。
「○○君、らしくないね」
この言葉だけで、相手の脳では思考が働きます。「期待を裏切ってしまった」「この人は俺に期待してくれているのか?」「俺はどうするべきなのだろう」というように、部下の頭の中で自分で自分を客観的に評価する働きが生まれるのです。そしてこれが部下が自分自身で自分の行動を変化させようとするきっかけとなるのです。
自己評価の重要要素は、自らの意思で自身の行動を変えようとする「内発的な動機付け」が働くことです。
この関わり方は、相手を批判、否定し、ガミガミ怒鳴り、脅しつけて外的な刺激で行動を変えようとする考え方(刺激反応理論)とは双極に位置する、これからの時代の軸となるべき考え方だと強く思ってます。
自己評価を活用する教育ができれば、さらに良好な人間関係の中で部下が成長していく環境が実現できると思います!
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