言葉だけがコミュニケーションではない!相手を思いやる気持ちの大切さ


目的地到着まで、あと35分。

飛行機は着陸の約30分前あたりから、降下を開始します。この日は降下中にジェット気流の影響による揺れが予想されていたため、降下開始と同時にベルト着用サインが点灯する予定だったので、CAは準備を進めていました。

やがてエンジンのパワーが絞られ、飛行機が高度を下げ始めます。
ベルト着用サイン、点灯。
CAも着席します。

徐々に揺れが強まってきました。冬場は日本上空のジェット気流が強まります。上下左右から気流に乱れにあおられたり、風向の変化によって左右の主翼に生じる揚力差のため、飛行機が大きく揺れます。

CAはアナウンスを入れ、ベルトを着用すること。席を立たない事。揺れても飛行の安全に支障がないことなどを周知し、機内の安全性を保持します。

やがて徐々に揺れが収まってきたところで、ベルト着用サインが消灯しました。

「おや?」と思ったところで、パイロットからCallが。

「この一帯は揺れないのでサインを消した。5分後に再びONにして、そのまま着陸する」

とのことでした。

パイロットからのサービス

パイロットとしては、降下開始から着陸まで、ずっとサインを付けたままにしておいたほうが、仕事が減るし安全性も高まると思うのです。まして空港への進入開始から着陸までは、パイロットが非常に忙しい時間でもあります。

にも拘わらずこういった対応をしてくれたのは、乗客がトイレに行こうと離席してしまうリスクを防ぐのと同時に「パイロットからお客様へのサービス」であると、私は捉えました。

なので私はすかさず、サインが消えたが再び5分後に点灯すること。お手洗いに行きたい方は今のうちにお済ませ頂くこと」をアナウンスしました。パイロットがくれたこの5分間の効果を、少しでも高めたかったのです。

結果、数名のお客様がトイレを利用されました。トイレというのは1人が行くと連鎖反応が起きるものです(^^)

5分後、再びベルト着用サイン、点灯。

飛行機は無事に着陸できました。

一体感を生みだすもの

この一連の流れの中で、私はパイロットとCAの一体感が強まるように感じていました。

パイロットとCAは、職種は違えど飛行機の中で同じ目的のもとに飛んでいる”チーム”だと思います。

「相手が今、何を求めているのか」をお互いに考える。

この相手を思う気持ちを「行動」で表すことで、お互いがお互いの仕事を尊重しあうことでチームワークが育まれ、とても気分良く飛ぶことができると思います。

相手を思いやり、相手の願望を察し、それを叶える関わり方をお互いがしていけば、言葉を交わさなくとも関係性は築けるのだと思います。

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