「おい!」
フライト中、機内を歩いていたらお客様から急なお声がけが。「怒られるのかな…?」と内心緊張したのですが、ご用件を尋ねると「入国書類が欲しい」とのことで、お渡ししたら丁寧なお礼を頂いたのでした。
「おい!」
「ねえ!」
「ちょっと!」
こんなふうに声をかけられた接客業の方は多いのでは無いかと思います。ここで「失礼な!」と思ってはいけません(^^) 失礼と感じるのは自分の価値観であって、お客様は別の価値観を持っています。接客の基本である「相手の立場に立つ」というのは「相手の価値観を理解する」ことでもあります。
接客のプロを目指すからには、なぜお客様が「おい!」という言葉を使って話しかけてきたのか、その理由に意識を向けたいものです。苛立ちを感じての高圧的な声かけの場合あるとおもいますが、今回はそういうケースではありませんでした。
ところで皆さんは、お店で店員さんに何かを尋ねる時、一番最初にどんな言葉を使いますか?
「あのー」
「こんにちは」
「ちょっといいですか?」
色々出てくると思いますが、中でも
「すいません」
を使う方が多いのではないでしょうか。「すみません」は便利な言葉ですが、相手に迷惑を掛けた時にわびる意味合いがあったり、相手にへりくだるような表現であることから、使うことを好まない方もいらっしゃいます。「あのー」や「こんにちは」も使う人はいるでしょうけれど、日本全国レベルにポピュラーな話しかけ方ではないと感じます。
ここまでくると、1つの答えが導きだされてくると思います。
そう、日本語には日常的に使われる「挨拶専用の単語」がないのです!
英語の「Hello」や「Hi」のような「やあ、こんにちは」にあたる、日常的に使われる挨拶用の単語が無いのです。これを知ると「おい!」を使うのも仕方がないと思えます。挨拶用のよい言葉が無く、かといって相手にへりくだるのも嫌だ。そんな考え方の人が行くつく1つの答えが「おい!」なのかもしれません。こう考えると「おい!」という声かけ1つからも、お客様の考え方をうかがい知ることができ、お客様の価値観を知るヒントになりますね!
JALの元CAでいらっしゃった黒木安馬氏は著書の中でこう書かれています。
「オイ!」はポルトガル語で「やあ、こんにちは!」の意味。それを知れば「おい!」と話しかけてきた日本人にも「む!ポルトガル語を使うとはやるな!」と思える。
これを読み、私も非常に参考になりました。「おい!」にイラっとしてしまう方は、こうして事実の捉え方を変えてみるのも効果的かもしれませんね!
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